妓宴
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足跡…みたいなもの
ja
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ごあいさつ
二十歳で逝った虎猫は、後半十年私とともに暮らしました。情緒不安定な私にとって最高の精神安定剤であったわけですがその静かな生活ももう終わってしまいました。おそらくこれが最後の詩となるでしょう。このところ心臓が悲鳴を上げています。もともと不整脈気味ではあったし、潮時かなと思います。
二十歳で逝った虎猫は、後半十年私とともに暮らしました。
情緒不安定な私にとって最高の精神安定剤であったわけですが
その静かな生活ももう終わってしまいました。
おそらくこれが最後の詩となるでしょう。
このところ心臓が悲鳴を上げています。
もともと不整脈気味ではあったし、潮時かなと思います。
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2018-02-01T13:48:07+09:00
西尾妓八
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にゃんこ
祈りでは引き止められなかった 小さな命はとても寒い十二月の朝まどろみながら さようならをした庭の隅の スミレの咲く辺りいつも眠った縁側にも近くここなら寂しくなかろうと思うが僕は とてもさみしいんだ日常の何気ない生活にあの だみ声が 響かないことがこの冷たい寝床に潜り込むものがこんな冬の冷たさだけになりそうして いつの間にか 年が明け台所の隅には 馴染みの茶碗が今でも朝晩 水を替えることを僕は当分
祈りでは引き止められなかった 小さな命は
とても寒い十二月の朝
まどろみながら さようならをした
庭の隅の スミレの咲く辺り
いつも眠った縁側にも近く
ここなら寂しくなかろうと思うが
僕は とてもさみしいんだ
日常の何気ない生活に
あの だみ声が 響かないことが
この冷たい寝床に潜り込むものが
こんな冬の冷たさだけになり
そうして いつの間にか 年が明け
台所の隅には 馴染みの茶碗が
今でも朝晩 水を替えることを
僕は当分 やめられそうもない
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2018-02-01T13:39:16+09:00
西尾妓八
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都議選の午後
曇り空を祝う様に芳香を放っていたくちなしも七月の声と共にすっかり影を潜めてしまった図書館までは十分も掛からない緩やかに曲がる坂道は小さな神社から始まっていて僕は軽く会釈だけはしておく読み返すのは 魔女の箒もうすっかり忘れているのでこの午後はきっと楽しめるだろう投票に行くかどうか まだ決めていない
曇り空を祝う様に
芳香を放っていたくちなしも
七月の声と共に
すっかり影を潜めてしまった
図書館までは十分も掛からない
緩やかに曲がる坂道は
小さな神社から始まっていて
僕は軽く会釈だけはしておく
読み返すのは 魔女の箒
もうすっかり忘れているので
この午後はきっと楽しめるだろう
投票に行くかどうか まだ決めていない
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2017年から
2017-07-02T11:16:37+09:00
西尾妓八
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枕
口笛を吹きながら通り過ぎるそれはたぶん男だと思うひどく上機嫌なその響きは薄汚れた大谷石の塀の外けれどもその足音はなぜか重く苦しげだった舗道は乾いているはずなのにまるで泥底に捕らわれた様な口笛はいつしか遠ざかりサイレンの音がそれに変わったこの間ネズミが轢かれていた辺りちょうどその辺が騒がしくなる私は既に寝支度をしていたのでわざわざ見に出ようとは思わなかったあの救急灯の赤は胸に重いしそれより今夜は枕が
口笛を吹きながら通り過ぎる
それはたぶん男だと思う
ひどく上機嫌なその響きは
薄汚れた大谷石の塀の外
けれどもその足音は
なぜか重く苦しげだった
舗道は乾いているはずなのに
まるで泥底に捕らわれた様な
口笛はいつしか遠ざかり
サイレンの音がそれに変わった
この間ネズミが轢かれていた辺り
ちょうどその辺が騒がしくなる
私は既に寝支度をしていたので
わざわざ見に出ようとは思わなかった
あの救急灯の赤は胸に重いし
それより今夜は枕が楽しみなのだ
枕に仕込んだ薔薇の香り
誰にもらったものかは忘れたが
荷物の整理をしていたらば
ひょいと香料が出てきたのだ
さて今夜は何を夢見ようか
過去は私の眠りを覚ますので
何か和やかな未来を見たいと
口笛吹きながら寝床に向かう
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2017年から
2017-06-29T23:21:09+09:00
西尾妓八
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六月二十九日木曜日
ヤモリの声よりも 小さなささやきがもう六月も終わりだよと明後日には七月になるのだよとできるはずだったことをとうとうやらなかったねと僕はカップに 白湯を酌んでひとつうなずき それを飲みほし足を組み替えて 膝頭を揉んだ明日出せるゴミは何だったっけ金曜日は ゴミの日ではなかったそよ風よりも柔らかな手が僕の背中を撫でさすっているそうして声を殺して泣き始める彼女には なにひとつ責任はないというのに画像byぱく
ヤモリの声よりも 小さなささやきが
もう六月も終わりだよと
明後日には七月になるのだよと
できるはずだったことを
とうとうやらなかったねと
僕はカップに 白湯を酌んで
ひとつうなずき それを飲みほし
足を組み替えて 膝頭を揉んだ
明日出せるゴミは何だったっけ
金曜日は ゴミの日ではなかった
そよ風よりも柔らかな手が
僕の背中を撫でさすっている
そうして声を殺して泣き始める
彼女には なにひとつ
責任はないというのに
画像byぱくたそ]]>
2017年から
2017-06-29T22:32:41+09:00
西尾妓八
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