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蝶々が笑った



横向きの風に 粉雪は舞い乱れ

その中を 白い蝶々が見え隠れする


芯まで冷えた私の肺は

続け様に咳を発する


内壁がべりべりと剥れる感覚が

実は心地よかったりもする


蝶々は逃げるでもなく

寄ってくるでもなくて


手袋を忘れた私は

ポケットに手を入れたまま


頼りなく舞う姿に惹かれるままに

ここまでついて来てしまった


再びの発作に背中を丸め

今度こそ全て引き剥がそうと


わざとらしいほど口を開いて

肺に力をこめてみる


内壁の穢れた堆積物が

薄く積もった雪に広がる


その小汚い場所をわざわざ選んで

蝶々が羽を休めに来る


これは私を迎えに来たのか

いったい誰の生まれ変わりか


私の疑問を見透かしたように

風に消え入りそうな声がする


わたしには何の意味も無いのです

わたしはこうしてただ在るだけです


あなたはそう悪いひとじゃないけど

考えすぎるのが良くないですね


なるほど そうかもしれない

何だか肩が軽くなったようだ


ふふと一つ 含み笑いがして

蝶々は風に身体をあずけ


引き止める間もなく運ばれて行った

私はそれを見送りながら


強張り続けていた頬や目や唇が

自然と緩んでいくのを感じた


蝶は遠いあのひとの声を

運んでくれたと思うとしよう



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