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交通安全



昨夜の恋人はまだ部屋にいた

朝の光にも 別人にはならず

ただ 若干 幼くなっていた

夜の華は 朝にはつぼみに戻るのだろう


旅館の裏手に神社があるという

朝餉のあとに待ち合わせをして

連れ立って往来をまわっていった

思いのほか立派な拝殿で


型の通りに拍手は打ったが

とくに願うことはなかった

小声で祈る彼女の言葉は

鳥の声で聞き取れなかった


来歴の書かれた銀板を読むうち

彼女は御籤を引きに行き

お守りを買って戻ってきた

それは私のものだという


紫の袋に金文字で

交通安全と書かれていた

“僕は車を運転しないよ”

“それしか残ってなかったの”


それでも渡したかったのは

そこに込められた思いなのだろう

わたしはそれを有難くいただき

してあげられることを考えた



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