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夜ねむらない樹




夜ねむらない樹と話しをしたよ

彼の声音はとても低くて

うつろにくぐもって響くから

足が地面から離れそうだったよ

だからたぶん あの声は

太い根方からのものだろう



思い切って訊いてみたんだ

僕は本当は 誰なのかを

薄く笑って 答えてくれたよ

一は十で 十は一だと

ちっとも要領を得なかったけれど

少し気持ちは軽くなったよ


それは 答えを得たからじゃなくて

地響きの様な 太い声に

僕の中心が共鳴したから

自然と振魂が行われたのかも

絡んでいた頑固な糸くずが

振り落とされてくれたみたいだ


夜ねむらない樹の場所は

かつて祀られた山神の祠の

水盤が割れて転がる辺り

今は誰にも顧みられない

籔に覆われた頂近く

昼間はねむっているのかどうか


僕は訊いてはみなかった


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