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砂絵




真実はつぶらな瞳に見破られていた
いつから見られていたのかは知らないが
視線は強くなく弱くなく
深くなく 軽くなく
その目に何が見えたのか
聞く暇もなく少女は駆け出した

砂に絵を描いていたらしい

そこには人らしきものの形と
猫に似た獣が泣く姿と
なにか長細い虫の様なものが描かれていた

どれが俺だ?

絵から目を離せないままに膝を折り
抱き寄せる形に腕を開いた
感情が失われていたはずの魂に
ちらと芽生えたこれは何だろう
少し憐憫の情に似ているが
誰を憐れんでいるのだろう

私は両手に砂をすくい
さらさらと丸くこぼしてみる
砂は紅く染められて
太陽をひとつ描きだした
少女が残した絵の横で
それは 鈍く輝いていて

少しは救われる気がしたのだが
逃げ出した少女は戻ってこない
私の出血も 止まりそうにない



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