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みずな



属さないの?

僕は何も拒否しなかったんだけど
気がついたら地面から足が浮いていて
左右の壁にも手が付かなかったんだよ

降りられないの?

上下の感覚を失って
ああこれが浮遊というものかしらと
ちょっと味わってみたんだけれど
どうにもこうにも立ち位置が判らずに

抜け出せないの?

そうして煮しめた様な茶ばんだ服
それは長くて顔まで包み隠しているやつが
二人して追いかけて来るものだから
曲がり角を幾度も曲がって
へたりこんだら肩掴まれてさ

掴まったの?

目が覚めたんだよ 大声上げて
それでそこは闇一色の
ただの自分の部屋なんだけども
カーテン分厚く締め切ってるし
耳栓深く鼓膜を閉ざして
最初から一歩も動かなかったみたいで

動けないの?

最近足の裏がほぐれてきたんで
もしかしたら歩けるのかもしれないけど
歩いてく先から崩れていきそうでさ
そうして後ろの道も途絶えて
結局居場所を失いそうだと
僕は存外 意気地無しだったんだね
道理で誰にも誘われないはずだ

誘われたいの?

僕は最初からそう言っていたよ
そうして隠れていたわけでもないけど
たぶん付き合いにくい奴なんだろう
だって僕だって こんな奴とは
一緒に歩きたいとは思わないもの
表か裏か前か後ろか判らない
のっぺらべらぼうで中身が無いのさ
君はよく離れていかないものだね

行く?

まだ行かないよ

平気?

たぶんね


恋人は笑んで笑んで変わらず笑んで
ひざを崩して足を伸ばして小首かしげて
僕を見つめて 僕の後ろを見つめて
虚空を見つめて 僕の中を見つめて
も一度笑んで 笑んだまま動かずに
動かないから安心できる
動かないから信用できる
だから僕は 動けるのかも











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