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家路



僕は仰向いて道に倒れていた

何もかもに疲れてしまったから

靴底で踏みにじって欲しく思い

夜通し道に倒れていた


川沿いのベンチで爺さんが盗品を数え

制服の警官に声をかけられた

爺さんはあわて過ぎてベンチから墜ち

地に伏し 死んだふりを始めていた


ひとりでは生きていけないに違いない

ふたりでは息苦しいに違いない

楽に生きるにはどうしたらいいのか

誰も教えてくれようとはしない


洗い立ての髪に帽子を載せると

その帽子はひどく古いものだったので

髪は前よりも汚くなった

だから帽子を買い換えなくては


秋の夜が更け 川沿いの道は

鍛えた筋肉が走り抜けてゆく

僕は萎えてしまった足を呪い

軟体動物の歩みで家路を捜す


すべて受け入れることにしたのです

だから 白い目にも温もりを感じ

舌打ちも 耳に心地良く

こうして笑っていられるのです


財布の小銭をてのひらに受け

そのうちの幾つかをお賽銭にして

夜の神社の鈴は鳴らさずに

そっと手を合わせたのですが


神様は眠っていらっしゃるようで

聞き耳をたてる様子もありません

僕はただ財布を軽くしたかっただけで

お願いがあったわけではないのです


横を向いて しばらくがあり

前を向いたら 時が移っていた

そこにはもう場所はないと言われたので

遠い家路を辿るしか仕方がない


そこで僕は訊きたいのだけれど

何処へ帰ればいいのでしょうか

帰るところというのは

どんなところを言うのでしょうか





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