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山行



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それまで何度も踏みしめた道を

汗を滲ませ 登って行った

草木は皆 素知らぬ顔で横を向き

樹木に閉ざされていた頂は

すっかり刈り払いが済んでいて

眺望を愛でる人達がいた

僕は旧いストーブを置いて

食事の用意を始めたのだが

あれほど楽しみにしていた

そのひとときが

ひどく寂しく落ち着かず

自分が 変わってしまったのだと

思うしかなかった


帰路は急坂を転がるように

立ち木に体を支えながら

少々 胸焼けを抱えながら

降り立った沢の源頭には

飲用不可の立て札があった

あのかすかに甘い清水も

何かに毒されてしまったらしい


以前は道標のなかった悪路も

親切な矢印で迷いようがなかった

それは確かに いいことだ

舗装路もずいぶん奥まで来ていて

靴底が噛んでいた小石が

堅い音を たてている

立ち止まっていたのは僕

山にも里にも

時は確実に流れていたのに





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